陣屋の見どころ

陣屋見学の
ハイライトHIGHLIGHT

日本で唯一主要建物が現存する代官・郡代所跡、高山陣屋。
たくさんの見どころがある中で、絶対に見逃せない6つのポイントをご紹介します。

001
青海波SEIGAIHA

  • 青海波
  • 青海波

玄関の大床[大きな床の間]に描かれている青海波は、海の波を模した吉祥文様で、江戸時代に流行しました。無限に広がる波の模様には、未来永劫続く繁栄と平和への願いが込められているとも言われています。
青海波は、当時は大床だけでなく玄関の壁や襖の全面に描かれていました。その迫力は訪れた者を圧倒したことでしょう。
現在、大床で見られるのは復元で、原物は御蔵で見学できます。

002
真向兎MAMUKIUSAGI

  • 真向兎
  • 真向兎

部屋の長押[なげし]などに打ちつけた釘の頭を隠すための装飾。
うさぎは子どもをたくさん産むことから、縁起のよい意匠[デザイン]とも、火災から建物を守ってくれる魔除けの意味合いがあるとも言われています。なぜ高山陣屋の意匠として採用されたかは、よくわかっていません。

長押[なげし]とは…日本建築によく見られる部材。柱面に水平に打ち付けて、柱を連結する材のこと。

003
嵐山の間ARASHIYAMANOMA

  • 嵐山の間
  • 嵐山の間

江戸から派遣された代官・郡代とその家族が居住した役宅内にあります。
代官・郡代の日常生活に使われた部屋で、奥には茶室も併設。ちなみに嵐山の間は別称であり、本来は御居間と呼ばれています。

004
大広間OHIROMA

  • 大広間
  • 大広間

年始をはじめとした重要な年中行事などで使用された書院造りの部屋。49畳敷の3部屋続きで、高山陣屋内で最大の広さを誇ります。
縁側を通して季節ごとに変わる庭の景色を一望できます。

005
御白洲OSHIRASU

  • 御白洲
  • 御白洲

取り調べを行ったり、判決を言い渡した場所。裁判における法廷の役割を果たした部屋とされています。 御白洲は陣屋内に2ヶ所あります。

一方は、村からの訴えや願いごとを受ける、今で言うところの役所の窓口となる場所です。もう一方では罪を犯した人の取り調べや裁きが行われ、いわゆる法廷の役割を果たしました。

江戸時代の取り調べは、自白が重視されていました。そのため自白が得られない場合には厳しい拷問が課される場合もあったようです。ただし高山陣屋の拷問道具は、人々を威圧するために置かれていたと考えられており、実際は牢屋内[現在の上一之町・海老坂付近]で行われていたとのことです。

006
御蔵ONKURA

  • 御蔵
  • 御蔵

近隣の村々から納められた年貢米を収納する米蔵。幕府直轄領となった直後の元禄8年[1695]に高山城三之丸より移築されました。創建は三之丸が築造された慶長年間[1600年頃]と考えられ、現存する江戸時代の米蔵[土蔵]として全国でも最古・最大級を誇ります。

特徴的な板葺き屋根は、釘を使わずに板を木の棒と石で押さえる「石置長榑葺[いしおきながくれぶき]」という葺き方を採用。材料には、油分を多く含み水をはじく利点を生かしてヒノキ科のネズコが利用されていました

5年単位で上下・表裏を返して20年もの間、素材を生かすこの工法を現在も守り続けています。
榑葺きの屋根が全国で姿を消しつつある現在、この伝統を未来へと引き継ぐために、榑へぎや榑葺きといった技術の継承も課題となっています。

最近ではサワラやスギも利用します。

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